学校名 : 岩手県立宮古高等学校
利用目的 : 学力向上・生徒の主体性育成
- 多種多様な生徒が入学し、入学時の学力層が拡大
- 個に応じた指導が求められ、教員の疲弊につながっている
- 学校課題と理想の指導を照らし合わせた教材選定
- 教員の伴走を軸とした学習指導
- 学習時間を入力した生徒の学習時間増加と、取り組む教科のバランス改善
- 2022年度のベネッセ総合学力テスト(1年生)では、数学と英語のGTZ Dの生徒が減少し、A~Sの生徒が増加
講演動画はこちら(2023年10月10日開催Webセミナーより)
学校の教育目標と課題を接続した教材選定
岩手県立宮古高等学校では、多種多様な生徒が入学し、入学時の学力層が拡大しています。
学力差がある中での授業展開をすると、習熟度に合わせた生徒個別の対応が求められ、先生方の疲弊が加速している状況でした。
その状況下で、進路の先生がICTの担当として役割を担うことになります。
先生は、学校の「教育目標」と「課題」を明確化し、その「課題」を解決するために適切なICT教材の選定をすることにしました。
ICTは導入がゴールではなく、「目標を達成するための手段の一つ」という認識のもとで以下のように整理しました。
教育目標と理想の指導を照らし合わせた結果、Classiが学校の現状と最もマッチしていたため、2022年度からClassiの利用を開始しました。
「伴走」「自走化」をテーマとした学習指導
宮古高校では、手帳で学習時間の記入をしていましたが、Classiと併用して学習記録を付けることにしました。
「生徒の自走化」が指導のテーマであるため、生徒たちが自主的に入力するように先生方が呼びかけを行いました。入力は強制ではなく、生徒が納得して取り組めるような形で呼びかけが行われています。
呼びかけの内容は以下のようになっています。
また、進路の先生は生徒への直接的な呼びかけ以外にも、学習指導をされる先生方に対しても、生徒の学習記録の入力について助言いただけるようにお願いをされています。
「先生が生徒に寄り添いながら学習に向かう姿勢を作り上げていく」ことが学校単位で実践されています。
学習記録者数の推移と振り返りは以下の通りです。
先生からのコメントや学年集会などでの声かけにより、学習記録の入力者が増えていきました。
一方で、徐々に入力が疎かになる生徒や入力をしない生徒がいることが明らかになりました。
改めて先生の働きかけや伴走の重要性が分かり、今後の取り組みに向けたフィードバックにつながりました。
模試の事前学習においても「伴走」の成果が
宮古高校では、2022年度ベネッセ総合学力テスト1年生11月記述に向けて、Classiチャレンジ(現:学習トレーニング)を使用して事前学習に取り組みました。
当時は先生が計画を立て、週末課題や毎週2~3回朝のSHRの10分間で課題を配信しました。
2023年度は、生徒の自走化を促すために、先生からの課題配信ではなく、朝のSHR前などの空き時間に「生徒が自主的に取り組む」というスタイルに変えて、模試の事前学習に取り組みました。
その結果は以下の通りです。
昨年度は「伴走」をテーマとして課題配信などをおこないましたが、GTZ C/D層が減少し、B層が増加するなど、学習成績の向上傾向が見られました。
一方で、今年度は「自走化」をテーマとして自主学習を促しましたが、大きな改善は見られませんでした。
学習記録だけでなく、模試に向けた学習についても「伴走」の重要性が分かり、2023年度11月記述に向けて伴走しながらの取り組みを進められています。
生徒と教員で同じかつ具体的な目標を共有する
宮古高校では、これまで示した通り「伴走が重要である」という振り返りを受け止め、生徒の「自走」と先生の「伴走」がセットで動く仕組みを計画しています。
また、同じ目標を生徒と先生が持ち、目標を達成するための教材としてのICT活用が計画されています。
「ICT機器を導入するにあたり、一番考慮したのは、生徒の自走化を狙いつつ、教員と生徒の関係性を大事にする、この2つを両立させることでした。本校の教育目標を実現するために、ICT機器を良き教材として有効活用できればと日々模索している最中です。」
と取り組みを推進する進路の先生は話します。
関連機能紹介