学校名 : 千葉県立白井高等学校
利用目的 : 学力向上
- 生徒の学力幅が広く、基礎学力の向上・学習習慣の定着が重要
- 学習支援アプリの活用率3%と活用が定着せず、取り組む内容を明確化する必要があった
- 朝学習の年間予定表を作成、取り組み内容から配信方法まで明確化
- 基礎力診断テスト結果返却後は、生徒のレベルに合わせた課題を朝学習で配信
- 教員向けアンケートでは朝学習の課題配信内容に対して適当であると回答した教員が90%以上
- 2023年度の基礎力診断テスト第2回では第1回からGTZ Dの生徒が減少し、B〜Aの生徒が増加。特に特別進学クラスでは70%の生徒の成績が向上
講演動画はこちら(2023年10月10日開催Webセミナーより)
学習支援アプリを導入するだけでは活用は進まない
千葉県立白井高等学校では、勉強が得意な生徒もいれば、苦手意識を持つ生徒も多く、中学校での既習内容を理解していない生徒も多く在籍。生徒の学力幅が広がっている状況です。
進学先は大学・短期大学・専門学校が9割を占めており、指定校推薦や総合型選抜などの推薦入試を選択する生徒が大部分です。そのため、進学後の授業についていけるか心配する声もあり、基礎学力の向上がここ数年の課題となっています。
また、教員から指示を出せば、学習・行事に一生懸命に取り組む生徒が多い一方で、声かけをしないと取り組みが進まない生徒もおり、学習習慣の定着も大きな課題となっていました。
2022年度までは、Classiとは異なる学習支援アプリを導入し、基礎学力の向上や学習習慣の定着を目指していましたが、活用率は3%と停滞している状況でした。
学力幅が広い生徒の状況から考えると、生徒自身で取り組むには難易度が適切でなかったり、朝学習の10分という限られた時間の中では扱いが難しかったりと、そもそも職員や生徒にどのように学習支援アプリを活用してもらうかが不透明な状況でした。
そこで、2023年度のClassi導入をきっかけに、朝学習の時間で何に取り組むべきなのか、Classiをどのように活用していくのかを明確化していきました。
朝学習を年間の計画に整理。模試の事後学習にも対応
年間行事予定表に合わせて、まず学力向上委員会(※1)でベースとなる朝学習の年間予定表を年度当初に作成。その後、各学年の学力向上委員の先生が学年ごとに内容を微調整していきました。
多くの先生が活用できるようになることを目的に、事前に配信設定方法を記した資料を各担任もしくは副担任の先生に配布し、Webテストの「マナトレ」や「基礎テスト」を課題として配信してもらうように促していきます。
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そして、以前から課題だったアセスメントの振り返りについても、Classiの学習動画を活用することで、朝学習の時間内で対応が可能となりました。
進路マップ基礎力診断テスト受験後に、学習動画の学習マップ連動課題配信機能(※2)を活用し、生徒のテスト結果に合わせた動画と確認テストを配信。朝学習の時間内でアセスメントの事後学習に取り組んでいます。
学習マップ連動課題配信の配信数の目安として、1回の朝学習で1講義をベースにしています。5日間で5つの講義を配信し、特別進学クラス(※3)については、より学習に励んでもらいたいという思いで、10講義に配信数を増やすなど調整をされています。
進路マップ基礎力診断テスト受験後の3週間後の朝学習は、振り返り週間としています。
(※1)学力向上委員会:教頭先生、教務主任、学年代表者、教科代表者の10名程度で学力向上に向けての取り組みやICT機器、学習支援アプリの活用率向上を図るための組織。
(※2)学習マップ連動課題配信:⽣徒が受験したスタディーサポート、または基礎⼒診断テストの結果に応じた「学習マップ」の状況に合わせて、学習の優先度が高い単元が自動で選択・配信が可能。生徒一人ひとりに合わせた課題を簡単に配信できる学習動画内の機能。
(※3)特別進学クラス:大学進学を目指す生徒を中心に希望者で編成するクラス。進学課外授業への参加や英検・漢検などの受検を促し、クラス全体で大学進学に向けた学習に積極的に取り組む
特別進学クラスの70%が基礎力診断テストの成績向上
2023年度から本格的に取り組みが始まった朝学習は順調に活用が進んでいます。
2023年度1学期末に実施した「朝学習に関する職員アンケート」で、生徒の取り組み状況や課題の配信数について、適当であったかを調査したところ、
「生徒はよく取り組んでいた」「課題配信数も適切であった」という先生方の声が多数で、朝学習に関する改善策や要望等もいくつか意見が集まりました。
また、具体的な成果として、年3回受験されている基礎力診断テストの結果の変化がありました。
例年、基礎力診断テスト第1回の受験よりも、第2回受験の方がGTZがDに当たる生徒が増える、もしくは同等の割合という傾向がありましたが、2023年度については、Dゾーンが減少し、B〜Aに成績が上がった生徒が出てきました。
特に、成績の向上が著しく良かったクラスが、特別進学クラスです。2年6組の生徒の37人中26人の成績向上につながりました。
「担任の先生、学年、教科の先生方の協力があり、その中に朝学習などの取り組みもプラスされ、このような良い結果に繋がったのではと感じているところです。このように、良い結果が姿勢や数値として表れとても良い状況で活用が進んでいます。」
と取り組みを推進する学力向上委員会の先生は話します。