福岡県 九州国際大学付属高等学校・付属中学校 | |
利用機能 | Webテスト(現:学習トレーニング) |
利用目的 | 学力向上・データ利活用・学習意欲の向上 |
事例まとめ
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九州国際大学付属高等学校では、さまざまなICTツールを駆使して指導をおこなっていますが、成績中位層(やる気はあるものの何をしたらよいかわからない生徒)の学習への取り組みに課題がありました。
- 課題解決のため、WebテストのClassiチャレンジ(現:学習トレーニング)を活用することで、ベネッセ総合学力テスト(以下、進研模試)の成績中位層や上位層にどのような成果があらわれるのかを検証しました。(高校2年生対象)
- Classiチャレンジと進研模試の結果の相関を分析したデータを生徒に提示。データ分析結果が成績中位層のモチベーションを向上させ、進研模試の成績も上昇。上位層にも好評で、成績向上にもつながることがわかりました。
こんな先生におすすめ!
“学年や学校全体の取り組みとして、個別最適化した学習を推進したい”と考えている先生
“データを利用して生徒の学習意欲を高めたい”と考えている先生
取り組みの背景 / 学校の課題
九州国際大学付属高等学校では、さまざまなICTツールを導入しています。
これまでは、Classi以外のICTツールを使った学習指導をしてきましたが、自発的な学習を普段からおこなうことのできる成績上位の生徒はどんどん取り組む一方で、成績中位・下位層の生徒は、取り組み自体が活性化しないという課題を抱えていました。
そのようなときに出会ったのがClassiのClassiチャレンジ(現:学習トレーニング)です。
まずは、成績上位の生徒たちを2つのグループに分け、進研模試(英語・文法)での成果を検証しました。
グループ ①:コミュニケーション英語Ⅱと英語表現Ⅱの帯活動(授業冒頭10分間)で実施 グループ ②:コミュニケーション英語Ⅱの帯活動(授業冒頭10分間)で実施 |
Classiチャレンジの問題の中から、難易度「基礎」「標準」「応用」の中から2種類を先生が配信し、生徒はどれか1つを選択して解答していきます。
2022年2年7月進研模試(英語・文法)に向けて、約1か月間かけて取り組みました。
【授業展開例(グループ ①・②)】 |
次の表は、各グループのClassiチャレンジの取り組み回数とおすすめ問題の取り組み数の結果です。
多くの生徒は、Classiチャレンジに積極的に取り組みました。中には、複数の難易度に挑戦している生徒もいました。
おすすめ問題への取り組み数の多さから、授業外でも実施していた生徒が多数いたことがわかります。
次の表は、2021年1年1月進研模試(英語・文法)と2022年2年7月の結果を比較したものです。
多くの生徒の成績が上昇しましたが、成績が下がった生徒もいました。
聞き取りをしたところ「おすすめ問題の正解率が低かった」「前回の成績が良すぎた」といった課題が見つかりました。
今回の検証から、成績向上には複合的な要因があるが、Classiチャレンジに取り組むことで自走力を高め、何かしらの成果につながるのではないかという想いを教員間で共有しました。
選択制課外学習での活用
上記の取り組みをベースに、Classiチャレンジの可能性を学校全体に広めるために動き出しました。
ICTEIP(ICT担当部署(国語科・英語科所属))が主導して、成績中位層を対象に「自発的な学習ができる力=自走力」を育む取り組み(選択制課外学習)を始めました。
選択制課外学習
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取り組みとその成果
やる気はあるものの何をしたらよいかわからない成績中位層をターゲットに、AIによる個別最適化学習とエビデンスデータを活用したClassiでの指導をスタート。
過去のグループ ①・②の結果から、実際に学習の成果が出ることを生徒に伝え、モチベーションの向上につなげました。
次の表は、Classiチャレンジの取り組み回数とおすすめ問題への取り組み数をまとめたものです。
選択制課外学習者は、おすすめ問題へ積極的に取り組み、2022年2年11月進研模試で成果があらわれました。次の表は、2022年2年7月進研模試(英語・文法、数学)と2022年2年11月の結果を比較したものです。
数学は単元の関係があるため、成績が低下した生徒もいましたが、英語(文法)においては成績が下がる生徒はいませんでした。
ICTEIPの先生(担当教科:国語)は次のように振り返ります。
Classiチャレンジとおすすめ問題にあまり取り組んでいない生徒は当然伸びておらず、積極的に取り組むことができた生徒は成績につながっていました。
課題だった成績中位層、またそこに届かない生徒たちにも、今回の取り組みは向いているといった印象を持ちました。生徒にとって、Classiチャレンジの魅力は、問題を解いた後にその結果を受けて自分に合ったリコメンド問題が出る、ここに尽きるのではないでしょうか
グループ①・②に関しても、2022年2年11月・1月に向けた取り組みを継続して実施しました。模試直前はおすすめ問題に集中して取り組むなど、全体で取り組みが増加したことについて、ICTEIPの先生(担当教科:英語)は生徒の取り組む姿勢を次のように分析します。
2年7月進研模試に向けた取り組みで、成績が上昇した生徒が多く、その結果を信頼したことが大きいのではないかと思います。
Classiチャレンジに取り組めば成績は伸びるとわかったことで、前回より、いっそう取り組んでいる生徒もいると思います
今回の取り組みとは直接関係ありませんが、3年生の受験対策でもClassiチャレンジを利用しました。
文法の総復習として、「Classiチャレンジ」を1・2年次の進研模試3回分をまとめて配信し、生徒はその結果を元に学習しました。
とくに私立大学・防衛大学校の英語・文法対策で、成果が見られたということです。
今後は、実証された成果を元に、学校全体の取り組みとしてさらに拡大していく予定です。
今後に向けて
九州国際大学付属高等学校のグランドデザインの一つである「自己マネジメント能力を身につけさせ、生徒の自走を促す」を達成するため、Classiの「学習トレーニング」を活用し、生徒の主体性を組織的に向上させる取り組みを検討しています。
グランドデザイン「自己マネジメント能力を身につけさせ、生徒の自走を促す」ための取り組み
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上記のように、生徒の主体性を組織的に向上させる取り組みの一環として「学習トレーニング」を活用いただくことで、先生方の「自走できる生徒の段階的育成」の支援、生徒の「自ら目標を立て、現状と目標のギャップを把握し、目標達成に向け自主的に学びを進める」ことの支援につなげたいとClassiは考えています。