2022年12月7日に、「中高一貫校における個別最適な学びを考える会」をオンラインで開催しました。
イベントでは、Classiより中高一貫校の課題感とそれを解消するためにClassiでできることのご紹介、そして基調講演として中高一貫校でClassiをご活用いただいている箕面自由学園中学校・高等学校の新庄先生にご講演いただきました。
当日の内容を、レポートでお届けします。
第1部:学力推移調査結果から見える中高一貫校の課題感と目指したい姿
事例講演の前にClassiより、中高一貫校の課題についてデータをもとにお話させていただきました。
まず、中学1年生からの初期指導期、続いて中学校から高校にかけての中高接続期に「勉強しようという気持ちがわかない」という生徒が増えているというデータを紹介し、実際に中高6か年における成績変動が起こる時期も同様であるという話を紹介しています。
また、高校3年生で3教科のGTZがS・Aゾーンに到達した生徒の成績推移を見てみると、多少時期のズレはありますが、中学1年生からの初期指導期、中学校から高校にかけての中高接続期にどれだけ成績を上げられるかが重要であることが分かります。
6か年で成績向上するためには、中学1年生からの初期指導が重要であることがデータから見えています。
6か年で学習意欲が低下してしまう時期を逃さず、家庭学習や宿題に取り組む時間を確保できるようにすること。さらに生徒自身で分からない問題を理解するまで考えたり、優先順位を決めて学習を計画的に進められることなども重要になります。
イベントの中では、これらの学習の量・学習の質に関するデータをもとに指導のポイントを紹介し、さらに学習意欲やメタ認知を向上させる仕掛け作りについてもお伝えしています。
第2部:基調講演
箕面自由学園中学校・高等学校 新庄 秀臣 先生
続いて第2部の基調講演。箕面自由学園中学校・高等学校と、新庄先生の自己紹介から。
大阪府の私立校の中でも受験者数が最も多く、学力も年々向上している箕面自由学園中学校・高等学校。
併設されていた中学校から、令和2年度より中高一貫校になったことで中高6か年を見据えた教育活動が求められるようになっています。
まずはClassiを導入した背景についてご紹介いただきました。
生徒の人数が多い、職員室が分かれている、習熟度の幅が広い、など、中高一貫校の先生方は共感できるポイントが多いのではないでしょうか。
続いて、箕面自由学園中学校・高等学校でのClassiと他ICTツールの使い分けについてのご紹介。
継続的な生徒個人のデータ蓄積に適している点から、Classiは「学校」というイメージで捉えられているそうです。実際の講演ではより詳しくICTツールの使い分けについてご紹介いただいております。
ここから、進路選択に向けた取り組みのご紹介です。
箕面自由学園中学校・高等学校は高校から入学する生徒の学力層が飛躍的に上がっており、同じ年に入学した中学1年生との学力のギャップが大きくなっていることが課題になっているそうです。
また、箕面自由学園中学校・高等学校は中高一貫のコースは無く、中学校から進学する際に目的別でコースの選択が必要になるそうです。しかし、中学生にはうまく想像ができず、漠然とした進路選びになってしまいがちという課題がありました。
そこで、学力推移調査のGTZを活用し、高校の各コースの平均GTZを提示することで「自分にどんな進路が待っているのか」を想像できるようにしたそうです。
高校の先に大学や職業があることを知った上で、そこから自分はどこを目指すのか、そのためにどれくらいギャップがあるのかを意識するためにGTZを活用しているとのこと。
これらの進路意識や学習のモチベーションを向上させる取り組みをおこなっており、その中でさまざまな目標を持った生徒たちに対応するため「個別最適な学び」にClassiを活用しているそうです。
GTZを意識した学習を進めるため、ベネッセのテスト結果をClassiでも閲覧できるようにし、自分が受験したテストの成績の変化を見れるようにしているそうです。
とくに「校内順位や校内偏差値は気にせず、一番見てほしいのはGTZだ」という指導を徹底しているとのこと。
※「模試データ連携」をおこなうことで、Classiでベネッセのテスト結果を閲覧できるようになります
また、Classiの「学習記録」で設定できる目標GTZについても、中学1年生から設定して学習時間を意識するように指導しているそうです。
学力推移調査に向けたClassiの「Webテスト」の活用についてもご紹介いただきました。
授業での活用や、「模試に向けてこういう勉強をすれば良いんだよ」という提案ときっかけづくりとしての「Classiチャレンジ」の活用など、参考になる学校がたくさんありそうです。
イベントでは、6か年の情報を蓄積するための活用など、他にも中高一貫校の先生方が参考になる事例をたくさんご紹介いただきました。ぜひ動画もご覧ください。
第3部:中高一貫校においてClassiがご支援できること
第3部では、改めてClassiより中高一貫校での学習における課題に対して、Classiでご支援できることをご紹介させていただきました。
基調講演で箕面自由学園中学校・高等学校の新庄先生が活用されていた「学習記録」についても紹介しています。
また、2023年度にリリースされる新しい機能についてもご紹介しています。
「学習トレーニング」という機能では、新たに「学力推移調査」の事前学習に活用していただくことができ、さらに生徒が設定した目標GTZに合わせて個別最適化された課題に取り組むことも可能になります。
一方で、事前アンケートでは「学力推移調査」の事前学習のためには教材が足りないというお声と、中高一貫校では学力の多層化が進んでいるためその対応をするために先生方の多忙感が否めないというお声もいただいていました。
そこで、2023年度にリリースされる「学習トレーニング」機能では、配信されたテストを解いた後にAIにより出題される「おすすめ問題」の難易度の上限をなくし、より前に進みたい生徒はレベルが高い問題にチャレンジできるようになります。
これにより、生徒のレベルや学習意欲に合わせた個別最適学習を実現し、先生の多忙感を解消しながら、学力の多層化という中高一貫校の課題に役立てることができるようになります。
中高一貫校では、学力の多層化により「授業が早すぎてついていけない」「宿題がないと前向きに勉強できない」など学習意欲を高めることが難しい生徒がいるという課題を抱えている学校も多いかと思います。
2023年度にリリースされる「学習トレーニング」機能を活用いただくことで、それぞれの生徒に必要な問題をAIが出題してくれるので、生徒が主体的に学習に取り組むことができるようになります。
また、先生の多忙感の解消としてデジタル採点を提供している佑人社とClassiが提携しました。YouMark Personalというシステムと連携し、定期考査の答案もデジタル上で返却ができるようになりました。
(※興味を持ってくださった先生は、ベネッセまたはClassiの担当者にご相談ください)
さらに、先生の働き方改革を実現するために放課後の自習室や探究学習などを大学生など外部の方と一緒に取り組まれている学校も増えています。
Classiでも、ベネッセ・トモノカイと3社で連携することで、外部の人材派遣を実現しております。
(※興味を持ってくださった先生は、ベネッセまたはClassiの担当者にご相談ください)
最後に、協働学習をされたいという先生からのご要望も増えています。
Classiでも連携サービスで「ClassiNOTE」という協働学習を支援する機能を提供しております。
(※スライドに記載されている体験会が終了した後も、導入のご相談は受け付けております。興味を持ってくださった先生は、ベネッセまたはClassiの担当者にご相談ください)
イベントでは、2023年にリニューアルされる新機能「学習トレーニング」についてより詳しくご紹介しています。
今回のイベントでは、中高一貫校における学力の多層化や学習意欲に関する課題から、それを解消するためにClassiでできることを、箕面自由学園中学校・高等学校の事例講演と、Classiの機能やリニューアル情報からご紹介させていただきました。
6か年のより良い学習や情報の蓄積のために、Classiをお役立ていただけると幸いです。
レポートとあわせて、イベントの動画もぜひご覧ください。
録画動画